ビットコインとは?ゼロから分かる仕組みや今後の展望

ビットコイン

仮想通貨(暗号資産)の代表格として知られるビットコイン(BTC)。

2021年3月時点、ビットコインの価格は約600万円まで上昇。史上最高値を更新し続ける勢いを見せています。

価格や知名度が上がってくるにつれて、これまで仮想通貨に縁のなかった人々のあいだでも、ビットコインが話題に上ることが増えています。しかし、なかには「興味はあるけど、なんだか難しそう…」と思っている方もいらっしゃるしれません。

そこで、この記事ではビットコインの仕組み特徴などを、初心者の方にもわかるように解説していきます。

ビットコイン(BTC)とは世界初のデジタル通貨!

ビットコインは世界で初のブロックチェーンを基盤としたデジタル通貨です。その大きな特徴は、法定通貨で言うところの中央銀行といった管理者が存在しないことです。

現在、流通する仮想通貨の中でビットコインは最も流通量が多いことから、「ビットコイン=仮想通貨」と思っている人も多いようです。しかし、ビットコインと仮想通貨は同義語ではありません。

「通貨」というくくりの中に日本円やアメリカドル、ユーロなどが存在するように、ビットコインも数ある仮想通貨の中の一種に過ぎません。

一通の論文から始まったビットコイン(BTC)

ビットコインは、2008年10月、ネット上に「Satoshi Nakamoto(サトシ ナカモト)」と名乗る人物がある論文を投稿したことから始まりました。これは、国家や銀行を介することのない分散管理型の仮想通貨について書かれたものでした。

その投稿から3ヵ月後の2009年1月、ナカモト氏の論文を基にしたオープンソースのソフトウェアが作られ、公開されます。これが、現在まで続くビットコインの最初の姿です。

しかし、従来の通貨とはまったく異なる「仮想通貨」という発想や、ブロックチェーンの技術、中央集権的な管理者のいない金融システムなど、非常に斬新なビットコインは、まだ広く一般に受け入れられるものではありませんでした。

しかし、2010年2月には初のビットコインの取引所が開設され、すぐに取引が始められています。

ビットコイン(BTC)は電子マネーとも違う

仮想通貨であるビットコインは、電子マネーとも違います。「通貨価値をデジタルデータとして記録したもの」という点では、どちらも同じです。

しかし、電子マネーは各種のプリペイドカードのように、国が発行した通貨をデジタル化したものです。例えば、電車やバスで使えるSuicaやPASMOは、日本円を電子マネー化したICカードです。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、国や中央銀行によって発行・保証されている通貨とはまったく関係がありません。仮想通貨と電子マネーの具体的な違いとしては、以下の6つが挙げられます。

  • 発行元が異なる
  • 対応する法律が違う
  • 中央集権があるかないか
  • 利用できる場所が違う
  • 価格変動性が大きいかどうか
  • ポイントが貯まるかどうか

ビットコイン(BTC)ならではの仕組み・特徴とは?

世界で初めて取引された仮想通貨のビットコインは、最も流通量が多いという特徴があります。ここではさらに、ビットコインならではの特徴的な機能である「管理組織の不在」「発行枚数の上限」などのしくみについて、初心者の方にもわかりやすくご説明します。

中央銀行が存在しない

ビットコインは、日本円やアメリカドルのように、国家や中央銀行が通貨として発行し、その価値を保証しているわけではありません。

中核的な開発者と協力者のグループは存在しますが、市場動向を見て流通量を調整したり、取引に介入したりする中央銀行は存在しません。例えば、日本ならば日本銀行、米国ならばFRB(連邦準備理事会)に相当する管理組織は存在しないのです。

国家という権威から離れた場所で、中央集権的な管理を受けない通貨がビットコインの目指した姿であり、後続する仮想通貨にも共通する大きな特徴と言えます。

インターネット上に分散保存される取引台帳

中央銀行が存在しないということは、その取引情報もどこか1ヵ所にまとまっているわけではない、ということでもあります。

銀行では、本店の大金庫や厳重に管理されたメインサーバーなどで、通貨や取引情報が管理されます。しかし、ビットコインでは、プログラムをダウンロードして取引に参加している端末が、個別で相互につながるP2Pネットワークを構築しています。

従来のクライアントサーバシステムでは、サーバが故障するなどしてダウンすると、システム全体が停止してしまうという問題があります。その点、クライアント同士が分散して通信するP2Pネットワークなら、一部の端末が停止してもシステム全体がダウンすることはありません。

ビットコインの取引情報は、世界中に散らばる膨大な数のPCやスマホやタブレットといった端末群によって記録共有され、情報の整合性やセキュリティが担保されています。国家という権威ではなく、予め決められたプログラムに沿って取引を行う世界中のユーザーからの信頼によって、ビットコインの価値は保たれているのです。

発行枚数に上限がある

ビットコインは誕生した当時から、発行枚数が2,100万枚と決められています。これは、ビットコインの仕様であり、予めプログラムに組み込まれていますので、それ以上発行されることはありません。

現在、発行されている仮想通貨の多くは、最終的な発行上限が決められています。ただし、その数量はまちまちで、数字の根拠もそれぞれ違います。

現実の法定通貨では、中央銀行の経済政策によって通貨の流通量を増減させることが可能で、それにより景気動向を誘導していくことができます。その一方で、必要以上の通貨を流通させてしまうと、通貨の価値が下がりインフレを引き起こしてしまいます。

ビットコインの場合、管理する中央組織がないため、漫然と発行していては、やがて市場にビットコインが余り出し、価値を下げることになってしまいます。そうした懸念もあって、あらかじめ発行枚数の上限が決められているのです。

このように発行上限が予め決められていることが、ビットコインの将来的な値上がりの予測や、それによる投機的な傾向に繋がっているとも言えるでしょう。

世界中にリアルタイムで送金できる

インターネット環境さえあれば、ビットコインは24時間365日、相手がどこにいても送金することが可能です。

また、従来の銀行を介した海外送金と比べて、着金までにかかる時間が圧倒的に早いのもビットコインならではの特長です。それまで数日かかっていた海外送金を、ほんの數十分のうちに完了させることが可能です。

これほどまでにスピーディーな海外送金が可能なのは、ビットコインをはじめとする仮想通貨がブロックチェーンという特殊な技術を利用している点に理由があります。

ビットコイン(BTC)の3つのメリットとは?

株式や為替などと並ぶ新しいタイプの金融商品として、世界中から大きな注目を集めているビットコイン。

そんなビットコインには、現金やクレジットカードとは異なるさまざまな利点があります。
そこでビットコインの持つ3つの利点について、初心者の方にもわかりやすくご説明します。

  • 送金
  • 手数料
  • 海外での利用
1. 個人間で直接送金ができる

まず1つ目は、個人間で直接送金ができる点です。仮想通貨は「直接送金」ができるといっても、あまりピンとこないかもしれません。しかし、これはとても大きなメリットです。

インターネット上での売買や、離れて暮らす子供などに送金するとき、銀行振込を使うのが一般的です。しかし、銀行を介する振込では、送金から着金までにタイムラグが発生することがあります。

また、例えば別の銀行に小切手を送ると信用調査のための時間がかかったり、さらに海外送金となると数日かかることも珍しくありません。

ところがビットコインなら、驚くほどスピーディーに海外送金が完了します。そのスピードは、理論的には10分、通常では長くとも40分程度あれば、相手がどこにいようと送金することが可能です。

2. 手数料が安い

海外送金のための手数料が安いのも、ビットコインの利点です。もちろん、これはビットコインに限ったことではなく、仮想通貨全体にいえることです。

ビットコインの送金と、従来の銀行を介した海外送金はどのくらい手数料が違うのでしょうか?それぞれの手数料や送金にかかる時間を、一覧表にまとめてみました。

   ビットコイン        銀行     
総金額       100,000円(0.062BTC※)100,000円
送金手数料0.001BTC※(1,614円)3,000〜8,000円
時間10〜40分5日〜10日

(※)2020年11月11日時点の「1BTC=1,614,000円」で計算
(※)0.001BTCはコインチェックの仮想通貨/送金手数料

表からもわかる通り、海外送金に関しては手数料・時間ともにビットコインの方が未だに銀行よりも優れていることがわかります。安い手数料でスピーディーに送金できるのは、ビットコインをはじめとする仮想通貨の大きな特長といえるでしょう

3. 世界中で両替せずに利用できる

最後に、世界中で両替せずに利用できる点があります。

海外旅行に出掛けるときは、渡航先の通貨を現金で用意しておかないと何かと不便です。大抵の場合、事前に日本の銀行で現地の通貨やトラベラーズチェックに替えておくか、現地の空港で両替することになります。しかし、この両替の手数料は意外と割高です。

例えば、アメリカドルの場合、国内の銀行での手数料は1ドルあたり約3円の場合が多いです。1,000ドル分を両替した場合、手数料だけで約3,000円もかかります。海外へ旅行に出掛けるときも、旅行から帰ってきて現地の通貨を日本円に両替するときにも、どちらもしっかり手数料を取られてしまうのです。

しかし、ビットコインで支払えば、両替の手数料は要らず、決済手数料のみで済ますことができるのです。

旅行先の飲食店でもショップでも、ビットコインの決済に対応している店なら、タブレットなどで支払い用のQRコードを表示してくれます。自分のスマホアプリでそのコードを読み取って送信するだけで、財布から現金を出して支払うのと同じ感覚で支払いができるのです。

ビットコイン決済が可能な店舗は年を追うごとに増えています。店側にとっても数%の手数料を支払わなくてはならないクレジットカードよりもビットコイン決済はメリットがあり、一部で普及している要因のひとつといえるでしょう。

ビットコイン(BTC)の3つのデメリットとは?

ビットコインの可能性に世界中が期待している反面、デメリットもあります。そこでビットコインの持つ欠点について、初心者の方にもわかりやすくご説明します。

  • 価格の変動
  • 決済時間
  • 決済サービス
1. 価格の変動が激しい

1つ目は、価格の変動が激しいことです。ビットコインは価格の変動が激しく、1日のうちでも乱高下を繰り返すこともあります。

そのため、より価格が安定した金融アセットに投資を行いたい人にとってはデメリットになります。一方で、価格変動が激しいことを儲けるチャンスとして捉える人も存在します。

2. 即時決済が難しい

2つ目は、即時決済が難しいことです。ビットコインでは、送金などの取引が行われると、その内容に間違いがないかどうかを検証し、不正や間違いがないことが確認されたところで、その取引が確定します。そのため、送金してもすぐに相手先に着金するわけではなく、即時決済が難しいという側面があります。

しかし、ショッピングやグルメなどの店舗での支払いでは、店舗が指定する「ウォレット」を使うことで、即時決済が可能です。ただし、指定以外のウォレットを使うと送金に時間がかかったり、場合によってはビットコイン決済が無効とされてしまったりすることもあるため、注意が必要です。

3. 決済サービスが少ない

3つ目は、ビットコインの決済サービスが少ないことです。

実店舗がビットコイン決済に対応していれば、ウォレットから送金して、その場で決済ができますが、ネットショッピングの場合はそうはいきません。クレジットカードと同様に、ユーザーと店舗のあいだに立って決済を仲介する決済サービスが必要となります。

ユーザーから送金されたビットコインを即座に日本円に換算し、月ごとにまとめて振り込むしくみがあれば、店舗側にもユーザー側にもメリットは大きいはずです。

しくみがあれば、店舗側にもユーザー側にもメリットは大きいはずです。

現在、ビットコインによる決済サービスを提供している企業はいくつかあり、導入しているECサイトも増えつつあります。しかし、まだ十分な数の企業が参入しているとは言えず、参入企業の増加が今後のビットコインの課題のひとつと言えるでしょう。

ビットコイン(BTC)の価格推移の歴史と今後の展望

Conceptual business illustration with the words history of bitcoin

2009年1月に誕生したばかりのビットコインは、まだ通貨としての価値が認められていませんでした。

ビットコインに初めて値が付いたのは、2009年10月に「New Liberty Standard」というサイトによって提示された、1BTC=約0.07円という価格でした。ちなみにこの価格は、ビットコインのマイニングにかかる電気代から算出されました。

その翌年の2010年5月には、フロリダ州に住むプログラマーがピザ2枚を1万BTCで購入するという出来事が起こります。この時のビットコインの価値は、1BTC=約0.2円。これが、ビットコインを用いた初めての決済と言われています。

その後、ビットコインは紆余曲折を経ながらも驚異的なスピードで成長していき、2017年12月には過去最高額となる1BTC=200万円を突破します。

およそ9年間で約200万倍も価値が上がったことは、非常に多くの人を驚かせました。また、この頃からビットコインはROI(投資利益率)の高い金融商品として、世界中の投資家から注目を集めるようになります。

参照:coincheck

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